男性不妊の検査って、何をするの?

検査の詳細の前に、クリニックについて。
うちの旦那は、東京・恵比寿にある男性不妊専門クリニック、恵比寿つじクリニックの辻先生にお世話になりました。

…通常こういったWEB媒体で個人や団体が特定可能な名称を直接載せることはしないんですが、このブログのモットーは「セキララ」ですし、病院クチコミサイト同様と考えればアリかなとも思うし、何より皆さんが一番知りたい情報の一つだろうと思うので、モロに載せてしまいます。

クリニックを選んだのは嫁のワタクシです。
普通に検索サイトで「男性不妊 東京」で検索をかけたところ、ヒットしたのがポータルサイトAll about不妊症の記事。詳細はリンク先をご覧戴くとして、福岡で開業されている男性不妊専門クリニックのドクターが東京分院を開院されるという記事でした。
そこを読んで、クリニック本体のHPもじっくり読んで、これならいいんじゃないかと。都内に泌尿器科は星の数ほどあるけれど、男性不妊専門を謳っているクリニックは殆どないし。ただの精液検査だったら婦人科でも検査してくれるけれど、それでは済まない予感が最初からあったので、専門クリニックを選びました。
ちなみに大きな総合病院は、待ち時間etcの問題もあるので、この時は選択肢に入れてもいませんでした。


クリニックは決して空いてはいませんが、検査段階ならば、予約何週間待ちというほど混んでもいません。(その後の手術はかなり混んでますが)
電話で予約し、一人で出かけて行って検査を受けてきてもらいました。ちなみに検査前には一週間程度の禁欲期間(射精してはいけない)が必要です。
どんな検査をするのかというのはHPにも詳しく記載されていますが、まずは精液検査。クリニック内に鍵のかかる個室があり、テレビといろんな趣味趣向(?)のアダルトDVDが用意され、自分で出したものをすぐに顕微鏡でチェックします。
それから診察室で、ズボンもパンツも脱いで触診。先生が直接たまたまを見て大きさを確認し、触って硬さを確認します。たまたまが小さくて柔らかいと、精巣機能が低下しているケースが多いとか。
さらに睾丸付近を超音波(エコー)検査
男性ホルモンの検査をするために採血。ホルモン検査は時間がかかるため、血液検査の結果は当日は判明しません。


ここまでの検査で、4万円強。安くはありません、自費診療で保険使えませんから。
血液検査以外はその場で結果が判明します。触診はまあいいとして、精液とエコーです。


精液検査の結果の主な項目を暴露しますと。


精液量:1.5ml(基準値:2.0ml以上)
精子濃度:0(基準値:20X10*6/ml以上)
精子数:0(基準値:40X10*6/ml以上)
精子運動率:−(基準値:50%以上)
正常形態率:−(基準値:15%以上)
生存率:−(基準値:75%以上)


ゼロです。見事にゼロ。精子がゼロなんだから、そりゃ運動率も形態率も生存率も何もかも「−」としか書きようがないわよね。
まあこの時点でほぼ無精子症は確定でしたが、血液検査の結果が出てくる10日後に、念の為もう一回、精液検査をしましょうという話を戴いたそうです。


帰宅後、何のためらいもなく「どうだった?」と訊いたわたくしに、旦那は人差し指と親指で輪っかを作って答えました。さほど落ち込んだ様子でもなく。何の気遣いもせず、「やっぱりね」と頷いてしまったわたくしです。
でもやはり、内心ショックだったのでしょう。普段一人で飲みに行く人ではないのに、さほど馴染みでもない店に一人で行って、黙って強い酒を飲んでいたそうです。


2回目の検査については、次のエントリーで。

何をきっかけに「不妊症」の3文字に思い悩むようになったか。


女性不妊の場合は、結婚して何年か経って、親戚中から「子供はまだ?」と言われ続けてうんざりしきった後で、もしかしてでもまさか…と思い至るものじゃないでしょうか。想像ですが。


結果として男性不妊だったうちの場合、もしかしたらそうかも…というのは、結婚する前から思っていました。なぜか。


理由その1:見るからに精液が薄い&少ない。

決して多くはないそれまでの男性経験と比較して、もう明らかに薄かったのです。
まず白濁していない。粘度がなくサラサラ。そして…このブログのモットーは「セキララに」なんで書いちゃいますが…口に入れてみても、あの舌や喉にへばりつくようなえぐみというか、そういうのが殆どないのです。量も物凄く少ない気がしました。
なので付き合っている頃から、この薄さはもしや…と疑っていました。ま、勿論その後「それでもいいや」と思って結婚したんですが。


理由その2:停留精巣(停留睾丸)

これも結婚前から聞いていました。
旦那のたまたま、もとい睾丸は、左右で大きさがかなり違うのです。そのときは停留睾丸という言葉も知りませんでしたが、小さいほうが停留しており、1歳になってから手術で治療したそうです。
勿論、停留睾丸だから必ず不妊になるわけではありません。うちの旦那も片方だけだし、きちんと治療されているし、それが原因で不妊というのは可能性としては低いことも理解してました。


理由その3:妊娠しない。

そのまんまですね(笑)
結婚が決まる前から、避妊なんかしたことなかった我々夫婦です。…いやその褒められたことじゃないのはわかってますが、旦那も自分も別の相手との性交渉はまずない状態でしたし!それにその、旦那はちょっとあの、サイズがそのアレで、市販されているコンドームの類が入らなくて…随分何種類も買ったんですが…(あせあせ)
なんてこともあって避妊せず、できたらその時点で入籍すりゃいっかーという状態で3年半が経過。更に結婚して1年半、計約5年が経過しました。
それなりにすることはしているのに、一向に妊娠しません。これはやはりと疑っても赦される年月が経過したのです。


とりあえず旦那の不妊を疑うに足るだけの理由はこれだけありました。
そこで結婚2年目の夏、夏休みで平日休みとなった旦那に、悪いんだけどちょっと検査してきてくれないかな。と頼みました。
その年34歳になっていた私は、35歳になるまでには妊娠したいと思っていたのです。高齢出産のリスクについて特に詳しく調べたわけではありませんでしたが、35歳を過ぎるとよくないということだけはずっと考えていました。
このタイミングで検査して、何の異常もなければ、不妊は自分のほうに要因があるんだろうと判断し、通院や漢方治療を始めようと計画してました。

ここで嫌がる男性もいるそうですが、うちの旦那は、内心どう思ったかはともかくとして、反対も反論もせず、私がネットで探しておいた恵比寿の泌尿器科クリニックへ検査に行ってくれました。
26歳の若さで不妊を疑われるというのは、もしかしたらあまりいい気分じゃなかったんじゃないかと思うのですが。


検査の内容や結果については、次のエントリーで。

最初のエントリーです。

ここを見にくる人が、どれくらいいるだろう?

どんな言葉で検索かけて、どんな情報が欲しくてここに飛んでくるだろう?


ここはとりあえず、我が家の不妊治療の思い出し記録から、

妊娠・出産・育児までを書くブログにしようと思います。

思い出し記録なので、ちょっとあやふやな部分もあります。

それでも、不妊治療や多胎妊娠で悩みや疑問を持つどこかの誰かの、

ささやかながら何かの参考にでもなればいいなと。


まず最初に書いておくと、我が家の不妊治療は、


要因:男性不妊(閉塞性無精子症

年齢:旦那26歳、嫁(私)34歳(治療開始時)
治療内容:TESE→顕微授精→胚移植(2個)→双胎妊娠→緊急帝王切開出産

移殖回数:1回(初回で成功)


基本データはこんなところです。


不妊治療経験者とはいっても、タイミング法からステップアップしていく大多数の皆さんに比べれば、一発で成功してしまった分ものすごくラッキーな部類だと自覚しています。

何度も何度もチャレンジして、経済的にも精神的にも心が折れてしまいそうな皆さんから見れば、腹立たしいくらい幸運だったと思います。

そういった皆さんがここを読んで不快に思われたら本当に申し訳ないのですが、世の中にはこういう例もあるということで軽く読み流すか、そのままブラウザを閉じてください。


では、次のエントリーからは、不妊発覚に至るところから始めたいと思います。