採卵に向けて。

旦那の精子は確保しました。
次は、顕微授精のために、嫁の卵子を採取しなければなりません。


旦那はあっさり通院5回程度で任務完了となりましたが、嫁側はそう簡単にはいきません。
私も何分一発で成功してしまったせいか、この種の治療の手法や薬剤にどんなバリエーションがあって、それぞれ何がどう異なるのか、自分で勉強せぬまま医師の言いなりでするするっといってしまいました。私の場合、結果的にそれで万事OKだったのですが。


ですのであくまで、私はこんな治療をしました、というご報告だけにとどめます。
同じ手法や薬剤を勧めるつもりもありませんし、それでなくとも、同じ治療をしても結果の個人差が凄まじいのが不妊治療です。
皆様あくまで、「あーこんなことして成功した人もいるんだー」というご参考程度に、ご覧くださいね。


というわけで、実は自分も「子宮年齢45歳相当」と言われてしまったえみりりこ。
診察室でそれを聞いて愕然とし、突如物凄い不安に襲われましたが、小田原医師は「大丈夫です。まだお若いんですから、時間はある。まだまだ深刻になるような段階ではありませんよ」と言ってくださいました。
どうやら不妊治療業界では、30代はまだまだ若い。メインの患者さんは40代、今では50代の患者さんもザラにいるようです。
そう言われてやっと少し安心し、前向きに治療に取り組む覚悟もできましたが、やはり各種女性ホルモンの数値が低いことには変わりありません。それを鑑みて、薬剤の種類と量を小田原医師が決めていきます。


2月に入って数日、特に不順でもなくいつも通りに生理が来ました。
始まったのを確認し、すぐにクリニックに電話して、今月の周期で採卵しますと生理3日目の日付で診察を予約。3日目までのどこかで診察して、採卵に向けた処置の開始となります。

診察した3日目から、セロフェンという錠剤を1回1錠、1日2回内服(錠剤を口からごっくん)。排卵誘発剤と言われていますが、実際には排卵誘発というより、卵子の発育(成熟)を促進する効果のある薬剤のようです。その人のホルモンの状態によって、薬の種類を変えたり、摂取量を増減させたりします。

更に同じ3日目から、ホルモン製剤のhMGフェリングという薬剤を自己注射。最初はびっくりしたんですが、なんと自分で注射器に薬液を吸い上げ、自分で憎たらしい腹の肉をつまみ、自分でぶっすりと注射針を刺して注入します。1日1回決まった時間、私は朝6時に設定していました。(今なら脂肪融解注射でも自分で打てそうな気がします)
このフェリングという薬も人によって濃度を増減させるのですが、私の場合、こちらのクリニックでは75・150・225・300と使用単位が4段階あるうち、最も強い300単位で処方されました。
このフェリングはヒトの尿から作られるホルモン製剤でして、いくつかの製薬会社から発売されているものの、会社によって原産地が違うそうです。安いものは中国産だそうですが、こちらのクリニックは中国産の薬剤は一切使用せず、このフェリングは東欧産とのこと。…確かに、偏見の一種と自覚していますが、それでも中国のあの過酷な環境汚染を見ると、中国人の尿から精製された薬剤はちょっと無理…。

この2種の薬剤、セロフェン&hMGフェリングで、卵巣に対し、「作れるだけいっぱい卵子を作れ!そして速やかに成熟させろ!」という指示を出す効果を期待します。通常、卵子は月に1個のみ排出されます。稀に毎月複数排卵される方もいらっしゃいますが、まあ基本は月に1個のはずです。
これを、できるだけたくさん何個も作り、それらをガンガン育てましょう。そうしてできた複数の卵子を手術で採取して、顕微鏡下で受精した後に子宮に移植しましょう、というのが顕微授精です。医療って凄いですね…。

人によっては、この採卵プロセスで、たっくさんの卵子を一度に採れる方もいらっしゃいます。若く健康で女性ホルモンが正常ならば、必要最低限の種類・濃度の薬剤投与で、質・量ともに十分な卵子を採取できることでしょう。


長くなったので、一度切ります。
つづく。