旦那の無精子症が確定しました。


一回目の検査から約10日後。
この日は嫁の私も同行して再度つじクリニックへ出向き、もう一度精液を採取して検査。結果が出るまでに1時間ほどかかるので、外に出て近所のカフェでランチ。
結果は、私も診察室に呼んで頂いて、辻先生ご本人が丁寧にご説明くださいました。
精子濃度も精子総数も、相変わらずでした。
精子の数が少ないだけなら精子症ですが、見事なまでの精子症でした。
やっぱ俺って「種無し」なのか、とやはり内心少なからずショックだったようです。


そしてこの無精子症の原因ですが、これは再度のエコーで判明しました。
睾丸ではなく、肛門側から体内に小さな機械を入れて、睾丸以外の前立腺や精嚢の部分を見るのですが、ここで異常が見つかりました。

無精子症の原因は主に3種類あり、

1 ホルモン異常によって精子を作る能力に障害がある
2 精巣機能そのものの障害精子を作る機能に障害がある
3 精巣で精子は作られているけれど体外に排出されてこない、いわゆる精管閉塞

に分類されます。
うちの旦那の場合はこの中の3、閉塞性無精子症というやつでした。
しかも、閉塞というのは精管(精巣から精子が排出される管)が途中何かで詰まって塞がれていることをいうのですが、何度も経肛門エコーで見た結果、うちの旦那の場合はそもそも精管そのものがない、精管欠損という状態のようです。何度見ても、あるべき位置に精管の影も形も見えない、その器官がまるまるないと。
精巣(たまたま)で精子は作られているものの、それを体外に排出するルートがない。工場で商品は生産されているけれど、工場から運び出すベルトコンベアがそもそもない、という状態ということで。
そりゃー精液だって薄くもなります。肝心の精子が含まれていないんですから。主成分が欠落しているんだから、量だって少なくなるに決まってますよね。


ただしこの日、血液検査の結果も出てきたのですが。
この血液検査というのは、つまり男性ホルモンなどの数字を見るための検査なのですが。
ここでも主な項目の結果をセキララに暴露すると、


プロラクチン(分泌過剰だと性欲や性腺機能を低下させる):10.5(基準値3.6〜12.8)
黄体形成ホルモン(男性ホルモンを作らせる):6.0(基準値0.8〜5.7)
卵胞刺激ホルモン(精子を作らせる):2.2(基準値2.0〜8.3)
テストステロン(男性ホルモンそのものの一種):871.2(基準値225〜1039)

※カッコ内の説明は、素人がなんとなく理解できる程度の要約ですので、必ずしも正確な記述ではありません。


ホルモン検査の結果は、全て正常の範囲内です。つまり、ホルモンが正常=精巣内では精子が正常に生産されている可能性が高い、ということ。であれば、対策はある。
TESEと言われる、精巣内精子回収術です。たまたまにメスを入れ、精巣から直接精子を取り出します。
それができれば、顕微授精(ICSI)での妊娠に期待できるというものです。
通常の閉塞性、つまり精管が詰まっているだけの状態なら、詰まっている部分をどうにかして精管を繋ぎなおして正常な排出を促し、より自然な状態での妊娠を期待することもできるのですが、うちの場合は閉塞ではなく欠損なので、そちらの手段は使えません。


この日、事実上我が家の不妊治療の手段が決定しました。
TESE→顕微授精、これが唯一の方法であると。


精巣精子は人工授精にも体外受精にも使えないので、顕微授精以外の手段は全て使えない。
顕微授精が唯一の選択肢ではあるが、ホルモンの数値を見れば、精子回収自体はかなりの高確率で成功が見込める、との説明を戴きました。(ただし、TESEの成功とその後の顕微授精の成功は全くの別問題だけど…)


迷う余地も必要性も感じませんでした。とにかくやってみよう。まずはこのTESEが成功しない限り、ほかに何をしてもどれだけ待っても妊娠の可能性はゼロなのだから。
ためらう要素があるとすれば、お金と、そして旦那の意思でした。何しろタマタマにメスを入れるのです。嫌でないはずがありません。でも、旦那は一度もノーとは言いませんでした。

それしか方法がないなら、やるしかないんじゃね?成功する見込みが低いってわけでもないし。

こんな調子でしたが、辻先生に説明を受けているその場で決断してくれました。
お金の問題のほうも、決して家計に余裕があるわけではありませんでしたが、子無し共稼ぎ生活をしていれば大丈夫でしょうと判断。その日のうちに、手術の予約を入れました。


が、手術の予定が超コミコミです(苦笑)
8月末に申し込みをして、オペ日は翌年の1月後半となりました…。


ちなみにこの日のお会計は、再度の精液検査&エコーで、2万円弱でした。