クリニック通い、開始とともに

10月末に不妊治療クラスを受講し、旦那のTESEは1月末と決まりました。
何しろそう若いわけでもない34歳の私は、できれば35歳までに妊娠・出産したいという希望を持っていました。
ここで目一杯急いだとして、

11月 or 12月に採卵して凍結 → 1月にTESE → TESE後速やかに顕微授精

というのが最短・最速スケジュールとなります。


ですが。


女性の不妊治療は、とかく通院回数がかさみます
私の場合も、不妊治療クラスでの説明等々から鑑みるに、採卵直前には数日おき、あるいは毎日に近い頻度での通院が必要になりそうです。
ですが私は、フルタイムというか、毎晩残業して当たり前の職場で働いているOLです。クリニックの診療時間は、すべて仕事で塗りつぶされている毎日です。
しかも、年末です。12月は言うまでもなく、11月も年末を睨んで仕事が立て込んでくる時期なのです。毎年この2ヶ月は、残業時間が50時間を越えるのが定例となっていました。
そんなクソ忙しい時期に、不妊治療で病院通いをしたいので早く帰らせてくださいとは…とても言えません。
仕事に支障をきたすか、生命に関わるような傷病なら、当然ですが繁忙期に仕事を放り出しての通院も許されるでしょう。
でも、不妊治療というのは、やはりごく個人的なものと判断されてしまうんじゃないかと思うのです。


仕事の内容も、絶対にその日のうちにどうにかしなければならないという類の仕事なので、今日は通院だから明日やろう!というわけにはいかなかったのです。
翌朝早出してこなすのも不可能ではありませんが、その場合朝6時に出勤するくらいでないと間に合いませんでした。
そして、同僚に代わりを頼むのもやはり、気が引けてダメでした。
私の場合、直接の上長も既婚女性で(ただし子供はいない)、チームの同僚は大半が未婚女性で、男性よりはよほど理解もあったでしょうが、何しろこの2ヶ月は社内の誰もがものすごく忙しいのです。わかってくれるからといって、甘えて寄りかかるにも限度があるだろと、自分が逆の立場だったら思ってしまうでしょう…。
よく、既婚女性VS未婚女性的な対立が産休・育休の現場で起こるそうですが、不妊治療にもこれが当てはまると思います。なんて子供が生みにくい社会なんでしょう、この国。
未婚か既婚かで利害の不一致が起こるせいもあるでしょうが、私個人としては、最大の原因は単なる人手不足だと思います。皆忙しすぎ・余裕なさすぎなんですよね。リーマンショック後に、極限まで人員を削っちゃったから…。


ちょっと話が逸れました(汗


そんなわけで、要するに仕事の繁忙期にクリニック通いは無理と判断し、比較的暇になる年明けを狙おうと考えたわけです。
採卵に向けての通院は、生理の周期に合わせてスケジュールが組まれます。
月の前半に生理がくる周期の私の場合、1月の周期だと年明け直後・成人式の連休あたりにぶつかりそうですが、連休前後も仕事が忙しくなるので1月もパス。
というわけで、2月の周期で採卵を目指すこととなりました。


で、会社には、というか上長と同僚には、「不妊治療で体外受精が必要なので病院通いを始めます」と、最初に宣言してしまいました。
かなり頻繁に通わなくてはならない。ただし、自分の仕事は、前日の残業や翌日の早出で自力でどうにかする。必要があれば、通院後にもう一度会社に戻って仕事もする。
本当にどうしてもどうしてもだめなのは、おそらく手術の当日は休まなくてはいけないということだけ。その日一日だけ、申し訳ないけれど休ませてくださいと。


……これも、ここまで、やもすると卑屈なほど下手に出てお願いする必要が、一体どこにあるのか?と思うのですよ。どこがどう申し訳ないのか?と、我ながら疑問に思います。正直。
勿論、自前の有給休暇を消費します。何のためにいつ有給を取ろうが、私の勝手です。本来は。
なんだけど、やっぱり。
申し訳ありません。せめて繁忙期は避けて暇な時期を選びました。できるだけ迷惑かけないように自力でどうにかします。なので通わせてください。
ここまで言ってやっと、それ以降堂々と通院できる心境になった、とでもいいますか。
毎回毎回ぺこぺこするんでなく、最初に一番下まで頭を下げておいて、その後はもう必要があれば必要なだけ早退でもなんでもさせていただきますよ、と。
何しろ採卵だけじゃありませんからね。その後の移殖に際しても、同じように通院やら手術やらが必要になるし。やはり最初に率直に事情を話して頭を下げておき、その後の反感を少しでも和らげると。


ええ?大変だね。不妊治療って、すっごくお金かかるんでしょ?
うん、できるだけフォローするから!頑張ってね!


このセリフを引き出しておいたほうが、後々の為だと思ったのです。ああ、計算高い自分がちょっとイヤだわ(苦笑)


……職場にオープンにせずに、治療をされる方もいらっしゃるでしょう。それがどれほどの苦労か。本当に大変だと思います。
これも一種のカムアウトですよね。カムアウトするもしないも本人の自由ですが、どちらにしても大変なことに変わりはありません。
世の中がもっと子供に、妊婦に、子供が欲しいと思う気持ちに、寛容になってくれればいいなと、本当に思います…。